デジタル表現

メディア応用研究室

  • 映像表現
  • 視覚心理

画像・映像コンテンツの視覚心理に関する研究

情報化が進むと共に、大画面・高精細のディスプレイで画像・映像コンテンツを眼にする機会が増えてきています。私たちのメディア応用研究室では、画像・映像を評価してみようということで、視覚心理の観点から、大画面表示における臨場感表示の研究、見慣れているコンテンツに対しての違和感と記憶の評価、錯視画像における見え方の研究、2D・3Dコンテンツ表示の心理的影響、眼の動きの視線情報からのコンテンツ評価等の研究テーマを進めています。このように、画像・映像に対して何か気になることや疑問を感じていること解明していきます。

教員紹介

鉄谷 信二教授

Nobuji TETSUTANI

1980年北海道大学工学部大学院修士課程了。
同年電電公社(現NTT)入社以来、ファクシミリにおける画像信号処理、電子写真記録および立体表示技術等の研究・実用化に従事。
1991年、ATR通信システム研究所に出向、臨場感表示技術に従事。
1994年、NTTヒューマンインタフェース研究所に復帰、高速ネットワーク用アプリケーションの開発に従事。
2000年、ATR知能映像通信研究所に出向、コミュニケーション環境生成技術に関する研究、ATRメディア情報科学研究所にて五感メディアの研究に従事。
2004年、東京電機大学理工学部教授、2008年未来科学部教授、視覚心理に関する研究に従事、現在に至る。工博。
一貫して、画像・映像に関連する研究を進めてきています。

発表業績を見る

研究事例

コンテンツの違いにおける違和感の研究

違和感は、一般的に、「しっくりしない感じ」などと、否定的に捉えられる心の働きでありますが、芸術作品の贋作を見抜くきっかけや、創作活動の作品に改善点を見出すきっかけにもなります。また、違和感を持つ場合に、無意識に過去に記憶したものと比較して、違和感を持つことがあり、この結果を利用すると、記憶の深さを図れる尺度にもなります。研究では、人物の眼のアニメと実写の大きさ変化の比較、富士山の実写と富岳三十六景の富士山の裾野の拡がり等の各種のコンテンツを用いて違和感の評価実験を進めています。

中心視と周辺視におけるβ運動の速度変化量に関する研究

β運動は、映画やアニメーションのように、適当な時間間隔で移動した物体の静止画が連続的に見える現象を言います。例えば、白い点が、左から右に、順に点滅していくと、白い点が動いているように感じます。この運動を中心視(網膜の中心部を使って一点を凝視)で見た後、眼を上げて周辺視(網膜の周辺部を使って視野の周辺部を漠然と見る)で見ると、この運動速度が速くなることを発見しました。この現象の解明と周辺視でどのような処理が行われているかの研究を進めています。

視線装置を利用した心理的評価に関する研究

視線計測装置を利用して、普段、疑問に思っていることを解明します。例えば、無視意識の視線の動きを用いた画像・映像の評価、錯視画像における視線の動きの評価、歩行時の視線挙動の評価等を行っています。

研究室の生活

研究室配属は、3年生の後期に決定します。配属になると週1回のゼミに参加することになります。また、後期は、4年生の卒業研究が本格化してきており、当研究室では、主観的な評価実験が必須なので、被験者として各種の実験に参加して貰います。実験の参加で、研究室のテーマを実感して貰い、卒業研究のテーマを決めていきます。4年生になると就活が始まるので、就活と卒研を並行して進めます。就職希望者には、エントリーシート、面接の指導を中心に進め、就職が決まった時点で卒研に専念します。大学院進学が決まっている学生は、学会発表に向けた研究を進めていきます。卒研は、大学院生とともに進めることになります。大学院生になると、毎日、大学に来て、研究を進めます。院修了までに、国内での学会発表は必ずします。国際会議での発表は半数以上の学生が経験します。

先輩の声

この研究室の雰囲気はとても明るいです。先生も気さくで楽しく、研究室の仲間もフレンドリーで笑顔が多いです。また、プログラミングが苦手な人が集まる場所でもあります。プログラミングが苦手な方や明るい方はとても合っている研究室だと思います。(学部生M.I)

研究室の雰囲気は明るく、学部、修士の関係も良好です。修士の先輩や先生方が支えてくれるので、就職でも大学院へ進学でも安心して学生生活を送れます。プログラムに自信がない学生でも画像処理等の分野で活躍の場があるのがこの研究室の特徴だと思います。(学部生 H.S)

あまり物を置いていないので,広々としていて,過ごしやすい研究室です.自分の参加するゼミでは,毎回,次回までの「最低到達目標」と,「上位到達目標」を設定しています.2種類の課題があることで,目標を見失わず,かつ無理なく研究を進めることができています.(院生 A.H)

当研究室希望の諸君へ

研究室指導教員から、受験生および研究室を目指す学生向けへのメッセージです。

画像・映像コンテンツについて、気になる疑問を一緒に解決しましょう。この研究過程で、社会で通用する考える力、創造力を培います。