自分で選んで作るプロフェッショナルへの道科目ユニット制カリキュラム
情報メディア学科では、カリキュラムにコースや専攻を設けるのではなく、
ユニットという単位で専門科目群を5つに分類している点に特色があります。
学生は3年次以降にどのユニット専門科目も自由に選択できるので、
自身の適正を見極めながら個性豊かな専門家を目指すことができます。
これが本学科独自の「科目ユニット制カリキュラム」の魅力です。
「メディア系」と「コンピュータサイエンス系」の5つのユニットと演習重視の専門科目
ユニットは特定の専門科目群をまとめた履修モデルとなっており、
ユニット専門科目をまとめて履修すると、その分野の知識や技術を効率よく体系的に学ぶことができます。
また、個人の興味や将来の進路に合わせて、複数のユニットに属する科目を受講できるので、
「セキュリティに強いWebフロントエンドエンジニア」や、
「3DCG技術に精通したIoTエンジニア」、
「ゲームも開発できるネットワークエンジニア」など、
個性豊かな専門家を目指すことができます。
一方で、ユニット専門科目を学ぶには、プログラミングの基礎力が必須となります。
初年次のプログラミング科目は、普通科出身の高校生の入学を想定した内容となっていますが、
情報メディア学科らしく、CGシミュレーションを題材とした課題等に早い段階から取り組みます。
高校までに習う「数学」や「物理の力学」を応用するので、高校での授業選択での参考にして下さい。
プログラミングで動くモノを作る演習重視のカリキュラムが、あなたの未来の可能性を広げます。
コンピューターサイエンス系
データサイエンス・AI応用
Data Science & AI Application
データに基づいた予測や機械学習といった、いわゆる人工知能(AI)技術を学びます。本学科のデータサイエンス・AI応用ユニットは、画像や音響、音声、自然言語、推薦システム、セキュリティといった情報メディア分野への応用に力を入れている点に特色があります。
- キーワード
- AI、機械学習、統計解析
- 専門科目の例
- 人工知能 / データ解析 / 数理最適化 / 自然言語処理 / 機械学習および演習 / 知的処理および演習
サイバーセキュリティ・ネットワーキング
Cyber Security & Networking Technology
スマートフォンやゲーム機、家電、自動車といった様々なモノがインターネットに接続されているIoT社会を支えているのは、ネットワークとセンシングの技術です。重要性が高まっているサイバーセキュリティの技術については、特に深く学べます。
- キーワード
- 情報セキュリティ、センサネットワーク、ネットワークゲーム
- 専門科目の例
- ネットワークプログラミングとクラウド開発 / ネットワークプログラミングとクラウド開発演習 / クラウドコンピューティング / IoTとセンサデータ処理 / 情報セキュリティの基礎と暗号技術 / ネットワークセキュリティおよび演習 / セキュリティ先進PBL / 先端セキュリティ
ソフトウェア開発・情報システム
Software Development & Information Systems
ITサービスを提供するには、サーバやデータベースの技術が必要となります。本学科ではオブジェクト指向プログラミング(OOP)の基礎を1年次から習いますが、このユニットで扱う応用的な技術を習得すると、Webアプリケーションの開発などに挑戦できるようになります。
- キーワード
- サーバ、データベース、Webアプリケーション開発、オブジェクト指向プログラミング
- 専門科目の例
- サーバプログラミング演習 / データベースプログラミング演習 / プログラミング言語論 / 情報システム設計論 / ソフトウェア設計 / ソフトウェア工学と分析・モデリング
メディア系
コンピュータグラフィックス・xR
Computer Graphics & xR
コンピュータグラフィックス(CG)の発展を支える多様な技術を学びます。プログラミングの演習を通じて、3DCGにおける陰影の表現方法やアニメーションの制御方法を学び、ビデオゲームやVR、AR、MRアプリケーションへの応用を目指します。
- キーワード
- 3DCG、モデリング、レンダリング、アニメーション
- 専門科目の例
- CGモデリングおよび演習 / CGレンダリングおよび演習 / CGとAI応用および演習 / コンピュータアニメーションおよび演習
メディア・インタラクション
Media & Human-Computer Interaction
コンピュータとそれを操作するユーザの間に介在するインタフェース(UI)や、UIの操作によって生じるインタラクション、ユーザ体験(UX)の設計方法について学び、機能面の開発だけでなく、人の特性を理解して真に使いやすいITサービスを設計できる技術者を目指します。
- キーワード
- ユーザビリティ、UI/UXデザイン、コミュニケーション
- 専門科目の例
- インタラクティブメディアとデザイン / ヒューマンインタラクションおよび演習 / 生体情報とVR / 音声・音響情報処理 / 応用音響
大学院情報
大学院の特色
大学院 情報メディア学専攻の2年間では、"学際性"、"国際性"を備え、かつ自分で問題を発見して解決できる高度な情報メディア技術者を育成するための先端的な研究環境を用意しています。進学者のほぼ全員が国内学会で、3分の1は国際会議でも発表します。研究主体の生活や学会発表の経験は、新卒入社して直ぐの若手には機会が少ない貴重な経験であり、就職活動の際などでも高く評価されています。
大学院のカリキュラム
基軸となる部門として、(1) メディア部門、(2) 情報部門の2つを設置し、高度化・専門化する情報メディア学の拡がりに対応する一方、2つの部門間の連携を密にして、それらを統合的にとらえる総合力を育むカリキュラムを配置しています。
(1) メディア部門:CG・映像・音声・Web等の多様で多彩なメディア創造、編集・加工、検索・閲覧に関わる技術、それらをベースにコンピュータ、ネットワークと連携したコンテンツ・情報流通技術に関連する科目
(2) 情報部門:メディア技術をベースに、いつでもどこでも安心して使える、安全で人にやさしいコンピュータおよびネットワーク技術、次世代のコンピューティング基盤構築技術、実際のシステム設計を通じて新たなコンピューティング環境構築方法等に関連する科目
国際化サイバーセキュリティ学特別コース(CySec)
大学院には、サイバーセキュリティについて専門的に学ぶ国際化サイバーセキュリティ学特別コース(CySec)があります。CySecは、マルウェア解析、攻撃検知、証拠保全、セキュアプログラミングなどの高度な技術を学ぶ演習科目の他に、法律、倫理、心理学、外交などの非技術的な分野も扱うことで、先導的な専門家の育成を目指しています。CySecは社会人向けにも開講されており、普段とは異なる刺激を受けながら学ぶことができます。全7科目を修了すると履修証明書が授与されます。

研究実績
- 国内会議発表数: 学部生29名、大学院生39名
- 国際会議発表数: 学部生0名、大学院生27名
- 学術雑誌論文数: 学部生0名、大学院生5名
- 学術賞受賞数: 学部生8名、大学院生6名
カリキュラムの科目配当表
コンピュータプログラミングI/II
JavaをベースとしたProcessingという開発環境を用いて、オブジェクト指向プログラミング(OOP)の基礎を学ぶ1年次の必修科目です。条件分岐や繰り返し処理といった基本文法に加えて、クラス設計の基礎を学び、最終課題ではインタラクティブゲームの制作を試みます。

データ解析
情報メディア学科では、実験で計測した量的データの他に、データベースやXML、テキスト、画像、音といった多様なデータ構造を扱います。本科目は、最小二乗法やラグランジュの未定乗数法といった数理の基礎を紙とペンで導くと共に、実際のデータをPCで処理するコーディング演習を通じて実践力を養います。

情報セキュリティの基礎と暗号技術
情報セキュリティの基礎を学んだ後、代表的な共通鍵暗号や公開鍵暗号の原理や具体的仕組みを理解。さらに、デジタル署名や電子政府システムについても学びます。

サーバプログラミング演習
インターネット上のWebシステムを対象に、要件定義、設計、実装の一連の構築を行います。4人前後のチームで独自の企画に基づき開発を進め、システム開発におけるプロジェクト管理や、コミュニケーション、共同作業の難しさと楽しさを経験します。

コンピュータアニメーションおよび演習
CGにおけるコンピュータアニメーション制作技術について、技術・表現の両面から学びます。ゲームエンジンであるUnityを用いてゲーム等のコンピュータアニメーションを制作します。

インタラクティブメディアとデザイン
デザインの基礎として、近接、整列、反復といったレイアウト技法や色彩論について学ぶと共に、CSSフレームワークを用いたレスポンシブWebデザインの実装方法について学びます。また、Node.jsを用いたルーティングや動的ページ生成演習を通じて、Web開発技術への理解を深めます。
