情報セキュリティ研究室
- ネットワークセキュリティ
- 暗号応用

サイバーセキュリティ技術に関する研究
情報セキュリティ研究室では、安全安心な社会基盤の実現を目指し、常に進化するサイバーセキュリティ技術分野を研究テーマとしています。具体的には、ネットワークセキュリティ、暗号技術、リスクマネジメント、そして現代社会において不可欠なCSIRT(Computer Security Incident Response Team)の高度な運用などを探求しています。現在、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)が高度に融合するSociety 5.0の実現に向けて、その根幹を支える強固なサイバーセキュリティ基盤への期待はますます高まっています。同時に、「モノのインターネット (IoT)」デバイスの爆発的な普及に伴い、そのセキュリティ確保は喫緊の課題です。サイバーセキュリティの世界は、AI(人工知能)による高度な攻撃や、サプライチェーンの脆弱性(ぜいじゃくせい)、そして地政学的なリスクなど、刻々と変化し続ける新たな脅威に常に警戒を怠れません。私たちの日常生活においても、デジタル化の進展とともにセキュリティの重要性は増しており、その専門知識を持つ人材への需要はかつてないほど高まっています。まさに今、高度な知識と倫理観を持つ皆さんこそが、安全なデジタル社会を築く主役となる時代です。情報セキュリティ研究室で、未来の社会を支えるサイバーセキュリティの専門家を目指しませんか?
情報セキュリティ研究室ウェブサイト教員紹介

寺田 真敏教授
Masato TERADA
博士(工学)2019年4月より現職 中央大学 客員教授 一般社団法人JPCERT/CC専門委員 独立行政法人情報処理振興事業協会研究員 一般社団法人日本シーサート協議会理事、等
発表業績を見る研究事例

おとりシステムを使った動的活動観測システムに関する研究
本研究は、大学ネットワークという実環境に「おとりシステム」を実装・運用し、その過程で生じるサイバーセキュリティ上の課題とその解決策を体験的に探求する社会実装研究です。具体的には、TDU-CSIRTとの連携のもと、NICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)が開発したサイバー攻撃誘引基盤「STARDUST(スターダスト)」を大学ネットワークの一部として統合します。ワームホール機能を活用することで、攻撃者にとって本学ネットワークとおとりシステムの区別を曖昧であることを生かしたセキュリティ対策を推進します。この実践的な運用を通じて得られる知見は、現実のサイバー攻撃への対処能力向上に直結するもので、本学全体のセキュリティ対策強化につなげます。また、最新の脅威動向を踏まえ、より効果的なセキュリティ対策の実現を目指します。

機械学習を用いたサイバー攻撃の検知・分類に関する研究
サイバー攻撃はますます巧妙になり、その被害も深刻さを増しています。研究室では、この脅威に対抗するため、AI技術である「機械学習」を駆使したサイバー攻撃対策の研究を進めています。具体的には、インターネットやネットワークを流れる通信データを分析し、システムを壊したりする「マルウェア」という悪質なプログラムの種類を特定し、その対策を考えるといったテーマに取り組んでいます。機械学習は、大量のデータの中から隠れたパターンや異常を見つけ出すのが得意な技術です。私たちはこの力を活用することで、従来のセキュリティ対策では難しかった、より高度で予測的なサイバー攻撃対策を実現することを目指しています。

情報セキュリティ啓発素材に関する研究
情報セキュリティと聞くと、少し難しいイメージを持つ方もいるかもしれません。でも、実は楽しみながら学べる方法があるんです!それが「CTF(Capture The Flag)」です。CTFは、まるでゲームの課題をクリアしていくように、サイバーセキュリティの知識や技術を自然に身につけることができる、注目の学習手法です。私たちは、教材を作る過程そのものを学びとする能動的なアプローチと、情報メディア系の学部である強みを活かし、このCTFのような「ゲーミフィケーション」、つまりゲームの面白さを教育に取り入れたシステムや、情報セキュリティをもっと分かりやすく、身近に感じてもらうための動画教材などの開発研究に取り組んでいます。https://blog.isl.im.dendai.ac.jp/xpedia
研究室の生活
大学での学びは、皆さんが将来、社会で自分の力を最大限に活かし、活躍するための確かな土台を築くための大切な時間です。研究室では、その土台の中でも、人とスムーズに分かり合える「コミュニケーション能力」を特に重視しています。現代社会に不可欠なインターネットの世界、その安全を守る情報セキュリティの分野では、高度な技術だけでなく、実は人のちょっとしたミスや連絡不足といったコミュニケーションの課題が、多くのトラブルの原因となっています。だからこそ、研究室では皆さん自身が「どうすればこの問題を解決できるだろう?」と主体的に考え、その解決策を探求する過程を大切にしています。この経験を通して、コミュニケーション能力はもちろん、様々なスキルを磨きます。また、学外の専門家との交流も積極的に行い、皆さんの活動の場を多方面に広げる機会を提供しています。研究活動は決して簡単ではありませんが、自分たちの発見が社会の役に立つかもしれないという大きなやりがいを感じられるはずです。研究室の日常の様子は、こちらのブログをご覧ください。https://blog.isl.im.dendai.ac.jp/未来のインターネット社会を守るヒーローになるのは、皆さんかもしれません!ぜひ、私たちと一緒に、ワクワクするような研究生活を送りましょう!
先輩の声
「情報セキュリティはとっつきにくいと思っている人もいるかもしれませんが、とても身近で重要な分野です。研究はうまくいかないこともありますが、学会発表に参加することも多いので刺激になりますし,とてもやりがいがあります。」(修士課程K)
「セキュリティは、ITのどの分野においても関わりを持つ重要な分野であり、難しくまたやりがいのある分野です。当研究室では、先生方だけでなく、多くの先輩方や外部の方々からサポートして頂ける環境が整っています。この交流が多い環境だからこそ、難しい分野でも毎年多くの学生が実績を残せている理由だと思っています。」(修士課程S)
「私は大学入学当初から情報セキュリティに興味があり、この研究室に入りました。 研究室内での勉強会などを企画したり、シンポジウムやカンファレンスで開催される情報セキュリティに関係するコンテストに参加したりと、自身の研究だけでなく、直接は関係しないことでも多くの学びがある環境で活動をできていると感じています。情報セキュリティという分野は、他の分野があってこその分野であるため、前提として要求される知識や技術が多くなりがちですが、例え小さな進展でも1つずつを着実に進めていければ成果に繋がると考えています。」(学部生N)
「情報セキュリティは今世間から大変に求められているテーマです。この研究室では卒業研究はもちろん、合宿や講習などの行事でも情報セキュリティに関する様々な知識を身に着けることができます。研究室の先輩方や同級生の中には情報セキュリティの実用的な技術を持っている方もおり、大変良い刺激になります。幅広い知識が求められる分非常に面白いテーマですので、興味があれば一度研究室に足を運んでみるのも良いと思います。」(学部生H)